「The man in the high castle」(高い城の男)


<天正戦国小姓の令和見聞録0168

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春日山城、鳴海幕府

お屋形様:上杉道満丸景虎

見聞録検め:小姓

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天正四百五十一年 十二月八日

 

The man in the high castle」(高い城の男)

 

リドリー・スコット殿が総指揮を担当して作られたSFシミュレーションドラマの「The man in the high castle」(高い城の男)がAmazonサイトで配信され高い評価を得ておるようじゃ。ドラマはシーズン1から日本が(かつての満州国のような傀儡国家としての位置づけとしての)日本太平洋合衆国からの撤退を余儀なくされる(昭和天皇の撤退表明)シーズン4まであり、制作サイドで予定通り完結しておる。

史実では1945年に連合国側がナチ・日本・伊太利亜の枢軸国側に戦勝しておるが、このドラマでは1960年代にナチス帝国と日本の枢軸国側が第二次世界大戦で連合国側に勝利し、旧亜米利加合衆国は大ナチス帝国と日本太平洋合衆国に分割されて統治されておる設定じゃ。ロッキー山脈のエリアは中立地帯となっておる亜米利加の大半は大ナチス帝国となり、アラスカやハワイなど東海岸を含む一帯を日本太平洋合衆国となっておる。ナチスからワシントンに原爆を落とされ亜米利加は降伏し、世界は独逸と日本の支配下になっておる。日の本はナチの強大な力の蔭におびえているという設定でヒトラー殿は60年代まで生きておる。昭和天皇も皇太子殿も皇太子妃も登場する。現実の世界では亜米利加の隷属下にあり、令和の時代ではもはやこういうドラマは島国の心根の退化と半ば共産主義化しておる日本では絶対作られないであろうな。天正の戦国の各地の諸侯や領民もさぞかし未来への関心が高まる事請け合いでござる。欧米のエンターテインメントには聖域がなく自由に作られており、日の本の映画ドラマ担当者には羨ましく思えるであろうな。

歴史は変えられぬが、もしこうだったらとかという歴史改変作は、時代での風刺的なところがあり、教訓や浪漫や感動もござれば、エンターテイメントの最上位にあたるのと存ずる。人間は殺戮や悪徳を好む反面、正義や徳の高い精神性をも好む動物じゃが、宗教や人種間、イデオロギーの違いで主義主張が混ざり合えば、始末に負えぬものとなる。過ちを犯したら反省や自戒をするものじゃが、いつしかそれを忘れて相手への殲滅や虐殺の行為に暴走してしまう。毘沙門天様の教えに従えばそのようなことも無かろうて。今、イスラエルがガザ地区の領民に対して、民間人の犠牲はやむを得ないと報じておるが、なぜユダヤ人は戦前のナチでの大量虐殺という惨劇を浴びながら、戦後ではそれと同じような行為をしてしまうのじゃろうか。ユダヤ人権団体はこれには沈黙をするしかなかろう。しかしユダヤ人でもシオニズムを快く思っていないのが多いのじゃ。オスロ合意は数年で頓挫しておる。ウクライナと露西亜はミンスク合意もなされぬまま、見えない先をめざして無情な戦いを続けておるのには実に情けないとお屋形様は憤っておる。世界を敵に回した亜米利加とイスラエルは未来の歴史書ではホロコーストの関連で記されておるやもしれぬ。

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