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Showing posts from October, 2018

「はい、こちら2020東京五輪」(第13章その六)

<第十三章:その六> 小池都知事の箝口令かどうかはしらないが、みどり君がこのところ、五輪関係で休みがないらしい。おそらく内部情報のようだが、2020東京五輪のボランティアの集まりがよくないという。先だっての公開情報では、登録が6万人のうち決まりそうなのが3万人ということだったが、その後はことのほか状況は良くないらしい。休日を惜しんで都内の至る所で、募集のチラシ配りを展開しているようだ。あまり口外してはいけないとのことだが、個人的には口外するにしてもしなくてもそのうち、実態は公表されるので、気にはしていない。もし、ボランティアの募集が半数に満たなくても、それはJOCの責任なので、スタッフの非は問えない。むしろ、それは企画側(広告代理店・大会執行部・官邸など)の問題であり、予測が甘かったといういうしかない。個人消費が伸び悩み、自分で使えるお金が増えず、国のほうもこそっと税金でじわじわと庶民の懐を直撃している。企業の法人税を下げ内部留保がGDP並みになっても、困窮する世帯は増加している。来年10月には消費税が予定通り上がるようだし、国民的にはボランティアに回す余裕などはあるのだろうかと心配はしている。一日プリペイドカード1000分の支給だけでは交通費だけでも持ち出しだろうし、11万人の規模のボランティアを全額支給となるとおよそ400億円はかかるだろう。リオ五輪では十分集まったとされているが 、2020では要員が不足して、強制的な学徒動員ということになる。その場合は当然、保護者が支払うことになる。人の善意には限りがある。生活を犠牲にしてでもボランティアはやれない。震災だったら覚悟を持って、信念で人助けのためという大きな大義があるが、五輪ともなると必然性が薄くなる。2020五輪大会企画側の力が試されている。

「はい、こちら2020」第13章その5

<第十三章:その五> これには驚いた。会計検査院が試算したところ、2020東京五輪の経費が三兆円を超えるのだという。JOCが見積もった大会経費の総額は1兆3000億円程度、都が別途8000億円で、二兆1000億円。これにそのほかの経費が増え、3兆円にもなるという。ロンドン五輪では二兆円超になったそうで、2020五輪でもそのくらいは見積もってもよかったのだ。総額1兆円などと当初の見通しが甘すぎたし、2008年の北京大会でも二兆円はかかったのだから、参考にしなければならなかった。覚えているだろうか。長野冬季五輪でも二兆2000億円が支出され、大きな赤字を生んでおり、不透明な支出は解明されずにいる。借金完済に20年も費やした。2020年はイスタンブールだと大方の予想を覆して、東京になったものだから当事者たちは内心戸惑いの感があったと思っている。個人的にも、イスタンブールは堅いと踏んでいた。ところが東京に誘致が決まってしまった。新国立競技場のZAHA案が廃止となり、コンパクトさを売り物にしていたコンペ案が、事実上変更となった。世界の人々はいまだに、ZAHA案の世界初の開閉式のスタジアムのイメージを抱いているはずだ。それを、いとも簡単に覆してしまった安倍首相にも問題があった。それは素直に謝罪すべきであると思っている。ゼネコンや広告代理店は多大な利益を上げている。2020東京五輪も大赤字になるかもしれない。三兆円どころか四兆円あたりになるかもしれない。このところ、日本のスポーツ界の不祥事が続いている。大会の成功は当事国のメダルの数の多さという古い概念はやめるべきだと思うし、商業主義が優先する五輪の在り方を原点に戻す働きも必要な時が来ている。それともうひとつ、小池百合子都知事の任期の件だが、2020年の7月30日までだと記憶しているが、これだと、五輪開催中に都知事選挙となる。彼女は、現政権に前倒しの選挙の特例を嘆願するだろうが、都民のアレルギーはおさまらないだろうし、再選はないとみている。どうみても、前回総選挙での「排除発言」の影響は今でも尾を引いており、衆議院での国政返り咲きは無理だろう。参議院でなら可能性はあるが、果たしてどうなるか見ものではある。

Behind the Story 2020tokyo

■「初めて読まれる方へ」■ ・・・・・・小学生時代からの幼なじみである船橋君とは、偶然にも中堅の広告代理店の同期入社となる。その15年後、船橋君の長女みどり君は名門のプロテスタントの中高一貫校の学生になり、彼女は深田恭子似の絶世の美女に育っていた。僕は美大で油彩を学び、船橋君は六大学の商学部で学んだ。みどり君と僕はピュアな慕情関係となってしまった。僕の娘千鶴もみどり君の学校で一緒だが仲は余り良くない。それから数年後、2020夏季五輪の開催が東京に決定。すでに都庁に就職していたみどり君は五輪準備委員会のメンバーとなった。だが、東京に決定したとは言え、問題が次から次と津波のように押し寄せる。2020東京は本当に大丈夫なのだろうかと、この目で追い続けるのは、時代の証言者としての責務でもある。開催までの出来事とフィクションでのエンターテインメント性を織り交ぜながら話を進めていきます。・:・・・・ ★目次・進捗状況★ 「はい、こちら2020東京五輪」(Behind the Story 2020tokyo) <2015年~20208月の開催日まで継続予定です> ■[2015]第一章 透明慕情:その一~その四 ■[2015]第二章 2020東京オリンピック開催決定:その一~その六 ■[2015]第三章 1940-2020 歴史は繰り返す:その一~その八 ■[2016」第四章から第七章(予定) ■[2017」第八章から第十章(予定) ■[2018」第十一章から第十三章(予定) ■[2019」第十四章から第十六章(予定) ■[2020」第十七章から第二十章(予定) <登場人物> ・僕:中山正輝 ・僕の妻:恵理子(野猿系) ・僕の長女:千鶴(野猿系) ・同僚:船橋真吾(イケメン系:代表権のないくろくま広告社社長) ・船橋くんの妻:美智子夫人(ハイソ系:くろくま広告社会長<実質的な経営者>) ・船橋くんの娘:絶世の美女:みどり君 ・銀座マネキン嬢(昼は銀座通りのマネキン嬢、夜は銀座のサロン嬢:ユキ、ナオミ、サトミ、ミキ他。全員国立大出身のインテリ) ・安土城天守閣での時空を超えた歴史上の人物の面々。 ・美大の後輩:安藤(アートディレクター、ソラミミスト:今東光似の毒舌家) ・くろくま広告社元会長:広瀬弘文(美智子夫人の父) ・銀座の