「絶滅危惧文明と人間の運命」
<道満丸景虎と小姓の戯言0234>episode234,season3
(天正戦国小姓の令和見聞録)
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春日山城、鳴海幕府(開府1587年)
お屋形様:上杉道満丸景虎
見聞録及び戯言検め:小姓 仁科源太
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◆天正四百五十二年 六月弐日
「絶滅危惧文明と人間の運命」
有史と言われる文明の始まりはいつ頃でござろうか。其方達は拙者たちの戦国の世から五百年後の立ち位置におるのだから、新しい文献などで参考にするのはいとも容易いことと存ずるが、令和の世界を見渡しても人間としての進化は時が多少刻んだにしてはいささか侘しく映るのでござる。一五八七年の世界では色々なことがあったのでござる。スコットランドメアリー女王一世がこともあろうに縁戚のエリザベス女王一世の命で処刑されおった。一五八二年の二月に信長殿の命で遣欧少年使節団の四人が旅立って五年後のことじゃったなぁ。欧州の現地ではポルトガル・スペイン艦隊とイギリス艦隊が壮絶な戦いも耳にしたことでござろう。エリザベス女王一世には跡継ぎがおらず、メアリー女王の末裔が令和時代での英国連邦の礎を築いたのでござる。秀吉殿が我らと戦う前に九州を平定し、伴天連追放令のふれを出しておる。其の時代と令和の時代での世界のミリタリーバランスの違いはござろうが、いつの世も権力を握るということは領民の安寧な暮らしを守るということに通じるため、努々和戦両様の構えは同じでござる。イデオロギーや社会経済体制が異なろうにも権力者(支配者)の器量一つで其の国の運命が変わるのも同じでござろう。令和時代の世界秩序はプレトンウッズ体制が崩れたとは言え、一九四五年の国際連合体制は変わっておらぬ上、一九七二年あたりで中華民国が常任理事国の座を奪われ、国際連合は毛体制の中国と立場を入れ替えてしまった。これは亜米利加の対中戦略の見誤りから来ておる。そうは思わぬか。イギリスが香港を返還しても一国二制度の五〇年間保証が残り二十七年を残して反故にしておる。まるで義や愛のない国家でござる。亜米利加にも非がござる。ネタニヤフ政権がヒトラー政権と同じジェノサイドを敢行しておるが、亜米利加はそれを実質的に後押しをしておるのを見ても分かるとおり、義のない権力とはいい加減なものじゃ。映画の「猿の惑星のザイラス博士」の言うように、「人間の行き着くところは殺戮と本能の行使により自滅をするしかない。それが人間の運命なのだ」だと言い放った最後の台詞を忘れてはならぬ。
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