Behind the story 2020tokyo-14-8

■「初めて読まれる方へ」■
・・・・・・小学生時代からの幼なじみである船橋君とは、偶然にも中堅の広告代理店の同期入社となる。その15年後、船橋君の長女みどり君は名門のプロテスタントの中高一貫校の学生になり、彼女は深田恭子似の絶世の美女に育っていた。僕は美大で油彩を学び、船橋君は六大学の商学部で学んだ。みどり君と僕はピュアな慕情関係となってしまった。僕の娘千鶴もみどり君の学校で一緒だが仲は余り良くない。それから数年後、2020夏季五輪の開催が東京に決定。すでに都庁に就職していたみどり君は五輪準備委員会のメンバーとなった。だが、東京に決定したとは言え、問題が次から次と津波のように押し寄せる。2020東京は本当に大丈夫なのだろうかと、この目で追い続けるのは、時代の証言者としての責務でもある。開催までの出来事とフィクションでのエンターテインメント性を織り交ぜながら話を進めていきます。・:・・・・


★目次・進捗状況★
「はい、こちら2020東京五輪」(Behind the Story 2020tokyo)
<2015年~20208月の開催日まで継続予定です>
■[2015]第一章 透明慕情:その一~その四
■[2015]第二章 2020東京オリンピック開催決定:その一~その六
■[2015]第三章 1940-2020 歴史は繰り返す:その一~その八
■[2016」第四章から第七章
■[2017」第八章から第十章
■[2018」第十一章から第十三章
■[2019」第十四章から第十六章(予定)
■[2020」第十七章から第二十章(予定)

<登場人物>

・僕:中山正輝
・僕の妻:恵理子(野猿系)
・僕の長女:千鶴(野猿系)
・同僚:船橋真吾(イケメン系:代表権のないくろくま広告社社長)
・船橋くんの妻:美智子夫人(ハイソ系:くろくま広告社会長<実質的な経営者>)
・船橋くんの娘:絶世の美女:みどり君
・銀座マネキン嬢(昼は銀座通りのマネキン嬢、夜は銀座のサロン嬢:ユキ、ナオミ、サトミ、ミキ他。全員国立大出身のインテリ)
・安土城天守閣での時空を超えた歴史上の人物の面々。
・美大の後輩:安藤(アートディレクター、ソラミミスト:今東光似の毒舌家)
・くろくま広告社元会長:広瀬弘文(美智子夫人の父)
・銀座の若旦那衆他
・霞ヶ関官僚、国会議員他
・その他随増殖・・




「はい、こちら2020東京五輪」(Behind the Story 2020tokyo)



第十四章 「混迷のオリンピック前夜」




<第十四章:その一>

 2019年はどんな年になるのだろうと思いが先走る。2018年は事件が入れ替わり立ち代わり起きた一年でもあった。年末に日産のトップであるカルロス・ゴーン氏らが逮捕され、特別背任罪で長期の拘留が続いている。人は善人悪人にかかわらず、権力を一度手にすると自分は神のごとく陶酔して周りが見えなくなるらしい。以前、エジプトのムバラク大統領が30年にも及ぶ長期政権で国家予算並みの不正蓄財をし、失脚したのは記憶に新しい。パレスチナのアラファト議長もその類と言われている。安倍政権は官邸の私物化と庶民の政治的無関心が顕著になって、永田町では政治的レームダックが止まらない。トランプ氏も先見の明を封印し、目先の権力安定をもくろみ、世界の指導的役割から突然降りてしまった。プーチン氏にしても内政環境が厳しい。北方四島の主権はもはや渡すことはないように見える。戦争の結果の影響は後の世代にも引き継がれ、安倍氏が見せかけの外交を演出しても未来永劫、日ロの領土問題はてこでも動きそうもない。JOCが文科省で以前問題を起こした官僚を、2020東京五輪の組織委員会のメンバーに加えたという。Behind the story 2020Tokyo「はい、こちら2020東京五輪」は2015年からはや5年目を迎えた。ノンフィクションンとフィクションを織り交ぜなら、時代の流れと五輪までの流れをフォーカスし、後押ししながら開催までを追っていくというストーリーだが、時系列でおってみると、その時の世界の出来事も思い出すので読み返す楽しみも増えてくるというものだ。と船橋君も言っていた。2020東京五輪まで、あと一年半。裏ではどんなドラマがあるのか探っていきたいと思っている。信長公との安土城での接見(宴)も予定されている。銀座のマネキン嬢たちはどうしているだろうか。五輪準備委員会のみどり君はボランティアの半数が日本人でないことをしきりにぼやいていた。NHKの大河ドラマ「いだてん」の視聴率が「西郷どん」とほぼ同じで、初回では歴代ワースト三位という。関西に至ってはワースト二位。頑張って演技をしているのはわかるが。。。2020東京五輪が一向に盛りあがっていない時代背景も影響しているのだろうか。いっそのこと、半強制的に視聴される「朝の連続ドラマ」にしたらどうかと思うかもしれないが、制作側が視聴率を細工してあげようとしても、結果的には視聴者の反感をかうだけだからどだい無理な話ではある。


JOCの武田会長がフランス検察から刑事訴訟を起こされる可能性が高くなった。小池都知事やみどり君ら関係者はまさに寝耳に水の心境だろう。第三者の僕たちとしては、東日本大震災の復興に手いっぱいの当時の日本では辞退すべきだという声がほとんどだったから、いまは心配するより、なるようにしかならないという気持ちも必要だろう。



<第十四章:その二>


今年になって船橋君と安藤と新宿の京王デパート前で初顔合わせとなった。デパートでは福井県のイベントがあり、そこで地方名産の食事に誘われた。船橋君の細君は福井の名門の出という。その後僕たちは、コクーンビルのタリーズコーヒーで歓談した。
「なんか今年はえらい年になりまっせ・・・」
「安藤もそう思うかやっぱり。カルロス・ゴーンはドツボにハマった感じだし、JOCの五輪裏金問題も未解決だし、役人の集計不正なんかとんでもないことだよなぁ。トランプは一体どうなるんだろう。北方領土はかえってくる見込みはなくなったしなぁ・・・」
「通常国会なんか異常国会になりそうだしね。困ったもんだ。おまけに野党は野党でお山の大将争いで、二大政党時代なんかとても期待できない」
「船橋君の言うとおりだ。信長公も安土城から心配そうに日本の未来を眺めているのが目に浮かぶ・・・」
「そうでっしゃろ。。。2020東京五輪は大丈夫なんやろか?」
「そりゃ、いまさら中止というわけにはいかないよ。JOCの会長が起訴されても、ブラックでも、各国からのボイコットがあっても、史上最低の五輪と言われようが、やるっきゃないんだ。311の大震災の後で誘致の立候補をしたのが大きな間違いだったと僕は思うんだがね。いまだに、放射能汚染水漏れが続いているし、震災前のときと同じような状況は無理だろう。国土強靭化計画といいながら、国は何もしないし、地方経済の疲弊ばかりが目に付いている。安倍君は1%の勝ち組ばかりに目をやり、99%の中小・零細企業を軽視しすぎている。昨年、石破氏が総裁選で接戦したのはそういう背景があったんだよ」
「イギリスはEU離脱でごたごたしてるが、そもそも英国はEUには入りたくなかったんだろう。企業や富裕層の大半は租税回避で大儲けしてるし、これまでEUなのになぜポンドなんだという矛盾もあった」
「難民や移民で米国や欧州では問題になっているが、そもそもそういう下地をつくったのは米欧州列強国だったというのは忘れてはいけないね。明治以来、日本もそれを真似てしまった。第二次大戦の悲劇がそれを物語っている。中国や朝鮮半島、アジア諸国に侵攻せざるを得なかった決断をしてしまった昭和天皇は大変だったんだろうが、戦後処理はいまだに終わっていない・・・」
「ほんなら、銀座のマネキン嬢たちとこんど食事にいきませんか?わてらたちだけで、愚痴をいうのはちっともおもろへんし・・・」
「それもそうだな、マネキン好きの船橋君に一任・・・」
「お前らも同じ穴のムジナだろうに^0^・・・」




<第十四章:その三>


 2020東京五輪・パラリンピックの入場チケットの料金体系が発表された。開会式の最高額が30万円、最低が12000円。サッカーの最高額が6万5千円。大体予想通りではあるが、高額の席は一般人には高嶺の花である。780万枚で820億円の売り上げのようだが、ボランティア無償が有償だったら400億円はかかる。五輪の大会経費は総額3兆円はくだらないだろうし、それならばボランティア経費ぐらいもう少し増やしたほうがよかった。おそらく、協賛企業か富裕層限定だろうが、ZAHA案だったら、30万円払っても満足度はあっただろうし、家族の貯金をはたいてもと言う気にはあったが夢幻と消えた。今年から来年にかけて、リーマンショック時のような世界経済の混乱の気配が気になるところだが、2020五輪景気は今年で終わり、消費税アップ後の風景がどうなるのか誰にも分らない。経済アナリストの予測はアテにしないほうがいい。彼らは予測が外れても涼しい顔をしながら、飯を食っている輩だ。まさしく、だれしもが政治家の無責任や官僚の隠ぺい体質による日本経済崩壊の予兆が危惧されるまでになってしまった。もうしばらくすると、僕たちは戦国時代の信長公のアドバイスを受けることになっている。武蔵境のパワースポットから安土城への宴の席へタイムスリップするわけだが、その席にはプーチン氏やトランプ氏、習近平氏、金正恩、メルケル、マクロン、あの五輪裏金疑惑の黒幕ディアク氏や竹田会長、電通の関係者もいるらしい。安倍晋三氏は末席で呼ばれている。通常国会の合間に銀座のマネキン嬢たちに寄り添って忍びでいくらしい。今東光氏の雷説教が安倍晋三氏のことで天守閣の隅々にまでとどろくのは目に見えている。テニスで大坂なおみ選手が全豪オープンを制し、全米オープンとの連覇となった。この際、全英・全仏と四大会制覇を目指してもらいたいものだ。世界の人々は前年世界ランク72位が世界ランク一位になった瞬間を目にした。錦織選手はもう年齢的にも限界だろう。各界では関脇の玉鷲が34歳で初優勝したが、初土俵以来15年間無休できたのは素晴らしいことだ。相撲界の衣笠選手。鉄人力士の呼称がふさわしい。大河ドラマ「いだてん」の視聴率が不調のようだ。人気脚本家によるものだが、主役が二頭出し、わかりづらい二つの時代背景、豊富すぎるキャスティング、日曜日の八時台にわざわざ五輪の物語を持ってくるのは無理があったか?朝の連続小説にするべきだった。岡田准一さんが新しい財前五郎役に挑むが、清濁併せのむ悪役風の深い演技に期待したい。松山ケンイチ氏が里見役には違和感があるが、見てみないことには何とも言えない。寺尾聡さんの東教授役は納得。ほかのキャスティングはどうなのかわからない。2003年のフジテレビの唐沢財前は最高視聴率で見事にハマっていた。今回はテレビ朝日で五回完結は短すぎるかもしれない。




<第十四章:その四>

人はだれでも絶頂期が続けば未来永劫バラ色の道が用意され、ハッピーエンドになる夢を持つのは自然なことだ。大坂なおみ選手が現コーチとの契約解消を申し出たそうだ。プロテニス界では、全米・全豪・全英・全仏の4大大会があり、ナンバーワンを競い合う。大坂選手は昨年の世界ランクが当初70位ほどだったが、現コーチとの二人三脚で全米、全豪の二大タイトルを手にした。個人的な見立てでいくと、大坂選手はまだ独り立ちするのには時期早計だと思うし、なによりまずセルフコントロールの精度を上げるべきだし、謙虚に人格の磨きを極めるのが必要だと考える。よって、契約解消はまだすべきではない。技術ばかりではなく、まだまだ人に教わる期間はあったほうがいい。心配なのは最高峰を極めたあとの慢心がプレーに当たる影響だ。ファンもやきもきすることだろう。2020五輪の水泳界の期待のホープ、池江選手が白血病の病にかかっていると発表された。2020東京五輪の金メダリストの最右翼なのは間違いなかった。アジア大会では圧巻の成績だったし、その勢いはとどまるところを知らなかった。正直、僕もびっくりしたうちの一人だが、五輪担当相の不用意な発言は国会内外に物議を醸してしまった。五輪憲章からすれば、「参加することに意義がある」というクーベルタン男爵の意図とは裏腹に、五輪への取り組みが変な方向に行ってしまった中での発言だった。メダル獲得が期待できなくなるのは残念だという本音がでてしまったのだろうが、まず、池江さんの健康と回復・順調な治療を願うのが人として当たり前だろうとおもうし、安倍氏も毅然として態度を表さなかったのははなはだ残念に思っている。レオパレス21(旧エムディーアイ)が不正建築でほとんどの入居者に対して退避の要請をしたが、オーナー重視の世相の動きにも内心腹が立つし、入居者の立場に立った報道の在り方が少ないのは」かなり問題だろう。統計不正は国家の基幹を壊す一大事も、永田町では責任回避の動きがひろまっており、結局うやむやにする腹なのだろうと憶測されても仕方がない。僕も一人のファンだった作家の堺屋太一さんが他界した。「油断」「峠の群像」など、経済の専門的な強みを活かして、日本の発展に尽力した異色の作家だった。彼の先見の明にはいつも驚かされていたし、影響を受けた作家である。ご冥福を祈るばかりである。



<第十四章:その五>


 久々に船橋君から連絡があり、中央線の高円寺駅で僕と安藤と待っていた。高円寺南4-45-2 メインロードビルの二階で知人が、二月初めに宮崎牛の焼き肉店「あおき屋」(03-5913-8823)を開業したので、たまにはどうだという。なんでも日頃親交のある芸能人K・Kさんが早速お忍びで来たという。一階が「すき屋」でエステがテナントに入っている。日頃あまり焼き肉店に行かない人でも、一度口にすると思わず納得する美味しいお肉が売りという。僕と安藤は高級な肉にはとんと縁がないので、グルメの船橋君が誘ってくれるのだから相当期待していた。さっそく、お店にはいると、落ち着いた木調のレイアウトで、三人から五人は入れる個室に通された。三種類の肉の食べ比べのセットは三つの味付けタレで楽しめた。それも極上の香りとミディアムの焼き加減が楽しい食事の世界を誘ってくれている。頬の薄口の刺身は酢としょうゆ味の絶妙な味で、単独でも、ご飯とでも、お酒のつまみでも楽しめた。安藤も僕もそれはいままであまり体現してなかったので、新鮮に思えた。焼き肉の共には欠かせない一品だろう。
「安倍君がトランプ氏に対してノーベル平和賞の推薦文をノルウェーに送付したコピーを、トランプ大統領自ら公にしたのはいかんともしがたいねぇ・・・」
「船さん、そりゃ、せっしょうとちゃいますか?推薦者の公表は50年間機密扱いて言うてますよ・・・」
「安藤の言うとおりだ。2019年はとんでもないことが起こりそうだ」
「メキシコの壁の建設はトランプの公約やけど、それはそれでいいんとちゃう。それより、先輩、朝鮮半島はどうなるんやろ・・」
「韓国は日本との関係は修復できないと踏んでるとおもうね。それより、金正恩とトランプが意気投合しているし、北主導の朝鮮半島統合化が現地味を帯びてきている。徴用工や従軍慰安婦問題は未来永劫消えることはないだろう。戦前の大政翼賛会では安倍首相の祖父も関わっていて、満州や朝鮮半島の実権を握っていたんだから、北南にかかわらず旧日本軍下での民衆への扱いに対しての、歴史的な感情の本能が反日の大きな原因なんだろう。だから、村山首相のように戦前の体制に関わらない子孫を日本のリーダーにしないと、この極東には『和をもって尊しとす』のはほど遠くなる一方だ。戦争は仕掛けたはいいが負ければいま日本のようになるという世界史の前例が記された以上、俺たち子孫へのしわ寄せは回避できない。来年の五輪は南北合同チームが多くなるかもね・・・」
「2020年東京五輪では南北合同チームで参加する可能性はあるよ。北朝鮮と米国が相互不可侵と平和宣言を行えば、日本は世界から孤立するしかないね。38度線が日本列島に降りてくる。まさしく日本が前線となる。北との拉致問題もらちがあかなくなる。安倍君は本気でやろうとする気構えがない。北方四島でもまったく帰ってくる気配もないし・・・」
「やっぱり、信長公の意見を聞いたほうがよさそうだね。こんど、武蔵境のパワースポットで三人で安土城天守閣に行ってみるとするか。世知辛い、今の時代がつまんなくなってきたから、ちょうどいい機会だ。あちらの宴会場には、プーチン・トランプ・オバマ・習近平・金正恩・メルケル・マクロン・メイ・今東光氏なども向かっている。彼らの本音を聞いてみようか・・・」
「そうしよう、そうしよう・・・」
美味しい焼き肉店では僕たちは久々に幸せな気分を味わった。

 IOCの最高位スポンサー13社からマクドナルドが2017年撤退しているが、中国のアリババがその代わりに食い込んでいる。いまのところ、IOCの最高位スポンサー企業は、コカ・コーラ・アリババ・アトス・ブリジストン・Dow・GE・インテル・オメガ・パナソニック・P&G・サムスン・TOYOTA・VISAとなっている。中国のG5の技術は2022年の北京冬季五輪で活かされ、2024年のパリ夏季五輪、28年のロス五輪では世界を凌駕しそうだ。その時日本は世界から埋没しかねない。それが心配だ。純国産ソフトを持たない独立国はあり得ない。TRONプロジェクトが80年代米国の民主党政権でつぶされたのは記憶に新しい。それがあったら、統計不正の拡散や米国のIT会社の支配下に置かれることはなかったはずだ。都の五輪組織員会の仕事で電通本社や高速道路会社にみどりくんは連日打ち合わせに行っているようだが、2020五輪がプレゼンどおりに行われていれば、なにも問題はなかった。要らぬ官邸の不用意な発言や震災後の後始末がいまだに進まないのに、五輪開催への関心を持てというのはどだい無理な話だ。個人的には、イスタンブールに禅譲すべきだと思っていたが、いまとなっては、世界から冷笑や失笑を買われようと、開催しないわけにはいかない。上空からみればみるほど、建設中の新国立競技場は僕には大きな使いすてのごみ箱にしか見えない。やはり、ZAHA女史のデザインにはレガシーがあったのだ。電通が五輪のオフィシャルスポンサーにもならないのには合点がいかない。
誘致の段階から五輪担当代理店となり、およそ4000億円以上のお金をスポンサーからかき集めている。ボランティアへは一日1000円のプリペイドカードの支給では全然足りないのではないか。参加する人は厳しい経済的な負担が待っている。参加者が学生か未成年なら親が出すのだろうが。組織委員会は10万人のボランティア費用(実費なら400億円ほどか)は出さないらしい。それくらいは捻出すべきだと思うが。いまさらいっても仕方がない。


<第十四章:その六>


 プロレスファンにとっては残念なニュースが入ってきた。個人的には、力道山・ジャイアント馬場・アントニオ猪木、リック・フレアー、スタン・ハンセン、ドリーファンクジュニア・ビルロビンソン、ミル・マスカラス、初代タイガーマスク、天龍源一郎、カブキ、アンドレ・ジャイアント、など好きだったが、ザ・デストローヤーは一番好きなレスラーだった。親日家だった彼のご冥福を祈りたい。
 2019年の東京マラソンでは大迫選手の記録が期待されていたが、30km手前で棄権してしまった。寒さと雨で体が冷え切ってレースができなくなったらしい。アフリカ勢は4位まで独占。優勝者は2時間4分台の好タイムだった。5位に日本人学生が入ったが、10分台が精いっぱいで世界の壁は厚く感じた。気候やレースの条件はアフリカ勢には不利なはずだったが、それを押しのけて頑張った。大迫選手に限らず、日本のマラソン界はまだまだ層の薄さを感じる。MGC(マラソングランドチャンピオンレース)への参加資格を緩く緩くしていたツケが回ったような気がする。2020の男子マラソンは8月9日、女子マラソンは8月2日となっているが、時間を繰り上げしても、酷暑は覚悟しなければならないだろう。灼熱地獄マラソンという名にふさわしい。寒さにも暑さにも強靭な体力と精神を併せ持つアフリカ勢には太刀打ちできない。日本人選手は環境に機敏に対処する能力や体力、メンタルな面で相当な努力をしないと、2020五輪マラソンのメダルは期待できないのが現状と言えそうだ。2020東京五輪での開会式での都知事は小池百合子氏だが、閉会式も同じだとは必ずしも言えない。都知事の任期は7月末、閉会式は8月になるからだ。当初から2020年の都知事選は五輪開催と重なり混乱をさけるためにも半年ほど繰り上げ選挙にしたい。小池氏も内心そうおもっていたので密かに二階氏と水面下で話し合っていた可能性は高い。二階自民党幹事長が時期尚早の小池出馬擁護発言をしたかと思えば急に引っ込める戦略に出た。要するに早くから都連にも唾をつけておけば小池再選に有利に働くとみたのだろう。都民ファーストの会と自民の関係も複雑化するだろうし、小池知事自身の立ち位置も難しくなるにちがいない。対立候補が大物なら小池再選は難しくなることだって想像できないわけではない。さて、都民の判断はどう出るのか興味深い。リオの五輪でも開会式にブラジルの大統領が出席できなかったが、まったく問題はなかった。2020東京五輪でも同じ。都知事がいなくても大会進行はスムーズにいくだろう。前回の五輪開催では政治的要素は必要ないという事例を作った。以前からIR推進論者である小池氏は築地を食のテーマパークを維持していくものの具体的な構想は明らかにしていない。カジノを含んだ総合開発構想もなくはないだろう。都民の反発も十分考えられる。おそらく次期都知事選は半年ぐらい前倒しで行われる。そのための伏線だとみていい。小池氏とはつながりのある二階氏は田中角栄氏の絶頂期を体現している。田中氏を慕う二階氏の気持ちもわからないではないが、派閥勢力拡大に対する思いが強すぎる。人間的な器は田中氏には到底及ばないが、今後思わぬしっぺ返しもないとは言えない。都政にかかわる知事は、国政にかかわるべきではないというのは、個人的な意見だが、小池氏は国政から離れることに未練があるらしい。カルロス・ゴーン氏がようやく釈放された。日産が苦境の時、経営陣はどういう構想を持っていたのかわからないが、わざわざ外国人をトップに据えるのはあまりにリスクが高すぎると思わなかったのだろうか。司法取引元年で最初の事例となったゴーン・ショック。日産は恥を忍んで生き延びるのではなく、一度、民事再生でリセットしたほうが、良かったのではないかと思う。




<第十四章:その七>


 2019年3月も中旬になり、2020東京五輪開催まであと500日となった。マドリード・イスタンブール・東京の三都市が激しい招致合戦で、東京が大方の予想を覆してイスタンブールには勝ったが、例の五輪裏金問題がいまもなおくすぶり続けている。当事者の親子が雲隠れしていてフランス検察が聴取できない状況のようだ。もう2020東京大会自体は中止にはできないだろうが、五輪・パラリンピックが終わった後でなんらかの刑事事件で収まる公算は大きいと思う。日本国内では五輪への目は世論では冷ややかだ。エンブレム盗作問題、強引な新国立競技場ZAHA案白紙撤回・招致プレゼン無視・放射能汚染水拡大問題など、様々なところで政治的な介入が及ぼした影響は計り知れない。裏をかえせば、権力を手中に収めればやりたいことは法を無視してでも可能だという事例を作ったようなものだ。2011年の東日本大震災から八年という年月が流れたが、復興は遅々として進んでいない。個人的には震災後での五輪開催どころではなかったはずだと思っている。今でもなお、原発の汚染水が日々漏れて行き場のないタンクがどんどん増えてるのだ。夢と希望の五輪というより利権と政治的思惑という色彩が強く出ている2020東京五輪という見方をしている庶民は多い気がする。僕と船橋君と安藤も同意見だが、大坂府知事・市長選のW選挙には開いた口がふさがらない。世論の目ではそうなるが、権力の座に座ると身勝手な理論で押し通そうとするのが人間の業なのだろう。両者とも任期が11月で、単なる辞任での選挙で当選しても任期は変わらない。そこで交換立候補となると府知事・市長が入れ替われば4年の任期が保証される。それを繰り返すといくらでも任期は引き伸ばすことができるというわけだ。有権者の間では詐欺論が蔓延していてもそれを押し通そうとする。小池都知事の任期は来年の7月末だが、それだと五輪開催の真っただ中で知事選は難しい。小池知事は自民党の有力な議員に働きかけ、知事選の前倒しを願い出る公算が強いと思っていた矢先に、二階幹事長の発言があった。派閥拡大のため今のうちに布石を打っておきたいのだろうが、あまりにもミエミエの世論形成術といえそうだ。小池知事が単なる辞任でも再選しても任期は変わらない。半年前、または一年前に特例法案を成立させてもらおうとする腹なのかもしれない。プーチン氏が初めて大統領に当選し、その後一時首相になり、また大統領選に再当選。そして憲法改正で任期を二期6年(12年間可能)に延ばした事例もある。大坂府知事・市長選のごり押し論理も全くそれと同じだということになる。安倍4選の影もチラつき始めているが、これも二階氏の発言で押し切ろうとする算段なのだろう。安倍首相は党の三期ルールに従うといっているのを信じるしかないが、それを反故にすれば世論の反感は拡大するだろう。安倍氏が4選だろうが5選だろうが、良い政をしてくれれば何も文句は言うつもりはないが、後継者が全く育たない現状から、永田町の新陳代謝はどんどんやるべきであると思うのだが。このまま戦前や第二次世界大戦での大政翼賛会大本営関係者や末裔が権力を維持していけば、周辺諸国のこれまでの日本への反発は消えることはない。フレッシュで新しい未来像を描き実行できるリーダー像がいまの日本には必要なのだが、まったく見えていないのには正直がっかりさせられる。

 ならばこれは、カンフル剤としての発想なのだが、「紺碧の艦隊」の臨時の軍事政権とかカストロ氏やゲバラ氏のようなリーダーが日本を牽引していくという状況もあり得ないわけではない。そういう発想で創作したのが「未来からの嵐」という長編小説だ。日本では、トム・クランシーのような、「合衆国崩壊」「バチカン云々」といった作品が少ないし、「官邸崩壊」「首相暗殺」「日本壊滅」などというかまびすしい題の小説を書けるほど表現の自由度は低いように思う。エンターテインメントには悲劇も喜劇もあってしかるべきだが、日本のTV局や映画会社は昔に比べてスケール感が侘しくなっていることは事実だ。中国の初めてのSF巨編は「流浪地球」というが、制作に4年もの年月と経費がかけられていた話題になっている作品だ。個人的には今の中華人民共和国以前の中国文化には強い興味はあるが、現在の国のあり方にはどうもついていけない。毛沢東の『文化破壊大革命』がそれまでの中国4000年の歴史の累積を台無しにしてしまったのは実に悲しい。小説は本で読むのが普通だが、YouTubeでスライドショー的なつくりで見られないだろうかという想いで現在執筆済みの原稿で試作を繰り返している。基本的には無声映画にBGMを流すごくシンプルなものだ。朗読の動画もあるにあるが聞き手の好みで声に拒否反応を起こさせるものも少なくない。「Behind the Story 2020tokyo」(『はい、こちら2020東京五輪』が邦題)はすでに2015,2016,2017,2018年の4作を公開している。芸能界はこのところ、不祥事が相次いでいる。若い俳優の婦女暴行事件やピエール瀧さんの麻薬所持など、観るに堪えない事件ばかりで実に残念ではある。来年の五輪を前にして嫌な出来事はあまり起きてほしくはないものである。。。




<第十四章:その八>


 2017年に2020東京五輪音頭の曲が発表されたようだが、恥ずかしなら僕は認識していなかった。まさか、1964年の東京大会で三波春夫さんが歌った曲がリメイクされるとはゆめゆめ思ってもみなかったからだ。石川さゆりさんも加山さんも嫌いではないが、巷でもあまり話題にもなっていなかったし、若い人ならなお更そういう曲は知る由もない。曲自体NHKが主導しているようだが、その弊害もなきにしもあらずで、なによりも新鮮さがないのが問題だ。はっきり言って2020東京五輪は2012年のロンドン五輪のような素晴らしい開会式は望めないだろう。個人的には五輪招致プレゼンのイメージから、2020年東京五輪はレガシーを感じるZAHA案の新国立競技場を基本に、斬新な発想で運営・企画されると信じていたが、エンブレム盗作・招致裏金問題、汚染水など様々な課題が沸き起こり、ここ二、三年は五輪音頭どころではなかったような気がする。五輪組織委員会を仕切る電通や利権を欲しがるゼネコンの暗躍もうわさされているし、何よりも世論の五輪への関心度がいまいち盛り上がらないのは一体なぜなのか。JOC竹田会長がフランス検察の裏金疑惑の予審捜査で訴追される公算が高まっている。IOCまでが竹田氏や電通への突き上げを迫っているらしい。NHKが報道するくらいだからよほど深刻なのだろう。もはや五輪開催前に会長職退任は避けられない情勢になってきている。五輪競技のピクトが発表されたが、マスコットにしろボランティアにしろ決めるのが遅いような気がする。要するに後手後手に回っている。国民的な盛り上がりにも欠けるし、なによりも大会が開催時期が酷暑となるのにも問題だった。盆踊りの時期に合わせた五輪音頭というコンセプトも分からないではないが。そんなことよりも、来年の都知事選挙はどうなるんだろうか。
 米国で史上最大の裏口入学スキャンダル報道が盛んになっている。日本でも、最近というより、今世紀にはいってからの常習性があきらかになっているが、米国ではスケールが大きい。テレビプロデューサーが、大学関係者への口利きで手を変え品を変えての裏口斡旋業を長く続けているという。有名女優やセレブの子息がかなり利用しているらしい。スポーツの推薦入学の盲点をついての裏口入学は妙味があるようだ。仮にスポーツの推薦で裏口で入れたとしても、何らかの事情でスポーツができなくなったといえば大学にとどまることができるという裏技もあるのだろう。なぜ、裏口がばれたかというと、実はFBIが別件での内偵をしていたところ、偶然にも裏口スキャンダルが発覚したということらしい。公平感や正義感をまとってまじめに受験した学生たちには気の毒だ。もっとも可哀そうなのは裏口で有名大学にかろうじて入った学生だ。授業についていけず学位取得まで行けない場合大学卒業は不可能だ。退学するしかない。行きは良いよい帰りは怖いの最たるものだろう。中国の科挙でも不正が広く行われていたと聞くが、どこの国でも時代が変わっても、不正や忖度は永遠に続くものらしい。

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